1.雨と霞
雨の日には視界が悪くなっていることを良く経験する。しかし、大粒の雨が降っているからといって、必ずしも霧雨のときのように辺りが煙るように見えにくい、というわけでもなさそうだ。
ちょっと考えてみる。
雨の水の量全体を体積V 立方メートル([m3])としておこう。「体積」は英語で「volume (ボリューム)」と書くので、頭の文字 V で数値を代表させる。雨粒がまん丸い球だとして、その半径を r メートル([m])としておこう。実際は1ミリメートル位だから0.001メートルとか。「半径」は英語で「radius」と書くので、やっぱり頭の文字 r で代表させる。
雨粒の個数 N は、
N=(雨の全部の水の体積)÷(雨粒一つの体積)
で求まる。「個数」は「数」のことなので、英語で「number」だから、やっぱり頭の文字を使って N と書く。まぁいいや。球の体積は3分の4パイアールの3乗、4π r3 / 3だ。π は円周率、3.1415926535897932384・・・(妻子異国に婿さ、子は苦なく身ふさわし)。それで、
N=V / (4 π r 3 / 3) =3V / (4 π r3 )
となる。
雨降りのおかげで、見えにくくなる。雨粒が邪魔をして、向こうが見渡せないからだ。一つの雨粒があった時、そいつで向こうが見渡せなくなる面積は、球の断面積分だろう。つまり、パイアールの2乗、π r2だ。雨粒はN個あるんだから、向こうが見渡せない程度は
(向こうが見渡せない度合い)=(雨粒の個数)×(雨粒一つの断面)
つまり
N × π r2
となる。Nは前の式で分かっているからすぐ前の式に入れてしまうと
(向こうが見渡せない度合い)=N × π r2
=3 V / (4 π r3) ×π r2
=3 V / 4 r
となる。3とか4とか今は良しとして、雨の総量Vは同じでも、雨粒が小さい、つまり雨粒の半径 r が小さいほど、向こうが見渡せない度合いは大きくなることがわかる。小さいもん分の1は、とっても大きいから。ということで、大粒の雨が降っているより、細かい大きさの雨粒が落ちてくる霧雨のほうが、辺りは霞んで見えることがわかる。
ただし、高知の雨は「下から降る」。あまりにたたきつけるような雨がふるので、地面で跳ね返って、下からも降ってくる感じ。跳ね返った雨粒は小さくなるので、やっぱり霞みます。
晴れた日の high intelligence の空は、どこまでも青い。