4.体の大きさ

 

 外国人は蛸(タコ)を食べない。

 

 そんなことは無い。子供のころの知識は歪んでいたような気がする。たぶん今もそうだけど。

 

 ラテン系のヨーロッパ、特にフランス、ポルトガルにそこそこ滞在する機会があった。 ポルトガル人は良く蛸を食べる。Arroz de polvo は蛸のリゾット。Arrozは米、Polvo は蛸。「デビルフィッシュ」とか何とか言って食べないのはアメリカ(合衆国)人に違いない。子供のころは、「外国」=「アメリカ(合衆国)」だった。

 

 外国人はでかい。

 

 そんなこともない。フランス人もポルトガル人も、私たち日本人とそう変わらない。見上げるような巨人ではない。もちろん個人差はどこの国にもあるけれど。

 

 だけど、スコットランド人(通称、イギリス人の一部)やスエーデン人は大きかったような気がする。ラテンヨーロッパよりかなり北に位置するので、寒い。

 

 住んでる環境の寒さと、体温維持のための発熱の兼ね合いで、体の大きさを考えてみる。

 

 体が大きい方が、発熱量は大きそうだ。細胞で栄養をエネルギーに変えていて、それが熱のもとになるはずだから。えい、面倒なので、「人」は一辺 L メートルの立方体としてしまおう。体の体積は、縦・横・高さを掛けて L3 立方メートル(m3)。大事なのは体の形(立方体とか直方体とか円柱とか)ではなくて、「長さ」が3回掛け合わされているということ。L3 に比例して、体は熱を生む。

 

 熱が奪われるのは、体の表面からだ。立方体人の体の表面積は L2 平方メートルが6枚、6 L2 平方メートル(m2)だ。6なんてのはどうでもよくて、大事なのは、面積だから長さLが2回かかっているということ。L2 に比例して熱は逃げる。

 

 熱が体外に逃げていくのと、体で発熱する割合は、

   (逃げていく熱)/ (発熱量)= 6 L2 / L= 6 / L

要するに、体の大きさに反比例する。これは「球体人」を仮定しても同じ。L に反比例だから、L が大きければ、体の発熱に対して体表面から逃げる熱は少なくなる。

 

 寒いところに住む人は、熱がなるべく体から逃げないように、L を大きく、つまり大きな体になるように適応してきたのかもしれない。

 

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          (ポルトガルリスボンコメルシオ広場