106.一級河川

 2019 年 10 月 12 日、13 日は、日本スイミングクラブ協会主催の、ブロック対抗水泳競技大会が浜松で行われる予定であった。全国を 10 のブロックに分けて、ブロック対抗で競う競泳の大会で、息子は 2 年ぶりに、四国選抜のメンバーに選ばれていた。楽しみにしていたが、大型の台風 19 号が、東海・関東に接近してきたので、大会開催の 3日前に中止が決まってしまった。残念だったが、実際に、10 月 12 日に台風は東海地方に上陸し、結果的に広範囲に多大な被害をもたらした。中止は実に残念だったが、日本スイミングクラブ協会の判断は正しかった。

 

 暴風被害とともに、豪雨に起因した河川の氾濫が相次いだ。堤防の決壊、決壊せずとも増水した水が堤防を越えてくる越流が多くの河川で起きた。なかでも、千曲川阿武隈川阿賀野川といった、義務教育で習う大河川が氾濫した。どれも一級河川だ。一級河川とは、国土交通省が管轄する、要するに国が管理している河川だ。

 

 堤防が決壊した千曲川は長野県を流れる一級河川だ。新潟に入ると信濃川と名を変える。

 新潟県では阿賀野川が越流し、氾濫した。一級河川だ。

 福島県では阿武隈川の堤防が決壊した。一級河川だ。

 東京では、一級河川多摩川が一部氾濫した。幸い、二子玉川駅付近のもともと堤防のない場所にとどまった。一級河川の江戸川の氾濫もなかった。

 

 堤防決壊、または越流したのは国が管理する地方の河川ばかりだ。地方創生、国土強靭化基本計画など、言葉だけは立派だが、地方は見捨てられている。“地方創生”で何ができたのか?

 

 時事通信社のニュースで見る、首相動静。台風 1 9号が来て、楽しみにしていた全国水泳大会が中止になった 10 月 12 日。

 

 午前 8 時現在、公邸。朝の来客なし。

 午前中は来客なく、公邸で過ごす。

 午後も来客なく、公邸で過ごす。 

 午後 10 時現在、公邸。来客なし。

 

まさに、「不要不急の外出はお控えください」を自ら実践し、国民に範を垂れる首相。

 

 では、台風の来る前日、11 日は、来る台風に備えた対策に奔走していたはずだ。実際、午前午後は国会があり、時事通信社から、首相動静を確認すると、

 

 (略)午後 5 時 20 分から(略)、同 40 分から同 46 分まで、台風 19 号に関する関

    係閣僚会議。

 (略)午後 6 時 28 分、官邸発。同 34 分、東京・有楽町のフランス料理店

   「アピシウス」着。

  

ほう、6 分間は対策会議を開催したのね。何の話をしたのか。

 

 被害が判明した 13 日。

 

(略)同 9 時 2 分まで、(略)。同 7 分から同 25 分まで、台風 19 号に関する関係閣

   僚会議。

(略)午後 4 時 44 分から同 5 時 5 分まで、非常災害対策本部会議。

 

 午前に 18 分。午後は 21 分が、台風対応だ。責任者として楽な商売だ。その後は私邸にこもっている。

 

 昨年 7 月の台風では、わが県は高速が落ちた。深夜に自衛隊要請するなど、知事は頑張っていた。首相、防衛相をはじめ、政府の連中は〇〇亭と称して飲み会に興じていた。何も変わらない。