31.西暦2016年、平成28年
数学者のガウスが小学生の時、授業中に自分の時間を作ろうとした先生から計算に時間のかかりそうな「1から100まで足し算しなさい」という課題を与えられたところ、他の生徒は計算に時間がかかったが、ガウスだけはたちどころに5050という答えを出したという。その計算法は、
1+2+3+・・・+99+100
の、両側同士を足していく。
1+2+3+・・・+99+100 = (1+100)+(2+99)+(3+98)+・・・+(50+51)
こうすると、101が50個あることがすぐにわかるので、
1+2+3+・・・+99+100 = (1+100)+(2+99)+(3+98)+・・・+(50+51)
=101×50
=5050
というわけだ。
ひるがえって、同じく小学生の息子に、1から10の足し算にして教えておいた。しばらくして、もうすぐ中1という頃に、1から63までの足し算をさせようと思い、手始めに1から10まで足し算させると「1足す2は3、3足す3は6」とか唱えだしたので、「前にやり方教えたやろ」というと、あぁそうかということで、端と端を足すことを思い出した。
いや違う。
「10を作るんやろ。1と9、2と8、3と7、4と6、5だけ余るから・・・45!!」
「最後の10わぃ?」
「あぁ~あ、0+10 して55や。」
まぁいい。それで1から63まで足し算させる。10が作れず困っている。
「端っこどうしから順にたすんちゃうん?」
「あぁ~あ、1と63で64、2と62で64、・・・・」
「相棒はみんな居るか?」
「・・・、32は残る」
「64は何個ある?」
「えぇーと、・・・33個。」
あてずっぽうである。
「違うやろ。」
「64個」
既に電池切れである。
「1と63、2と62、3と、4と、って行くんやろ。どこまで行くん?」
「32、あぁ~あ、31や。」
「じゃぁ、1から63まで足したらなんぼ?」
ということで紙に書いて、計算した。
1+2+3+・・・+62+63 = (1+63)+(2+62)+・・・(31+33)+32
=64×31 + 32
= 2016
「ほら、今年はそんな年や(2016年1月記す)」
すぐに風呂に入る。つらつら考えていたら、息子のやり方、0を足して置いて両端から足していくやり方も結構いいことに思い当たった。たまには良い発想をするものだ。1から63までの足し算の場合はその方が面白い。
0+1+2+3+・・・+62+63 = (0+63)+(1+62)+・・・+(31+32)
と、63の塊が作れる。それが31個、いや、0を加えたので32個。
0+1+2+3+・・・+62+63 = (0+63)+(1+62)+・・・+(31+32)
=63×32
=2016
こうしておいて、九九を思い出すと、63=7×9、32=4×8なので、2016は7でも4でも割り切れることがわかる。28で割れるということ。2016が平成28年の28で割り切れる。割ると、63の中の9と、32の中の8が余るので、答えは9×8=72だ。
2016=28×72
おや、因数の28と72をたすと丁度100になる。こんな年も珍しいのかなと思いつつ風呂から上がる。
風呂の中で、クォークが6種類あればうまくいくとか思いついたら、ノーベル賞を貰えるのだがなぁ。