1の位が5で終わる2桁の数字の掛け算。25×25 みたいなやつ。これは簡単にできた。13歳の証明の夏のこと。10 の位の数に 1 足したものとその数を掛けて、あとに 25 をくっつける。25 掛ける 25 だと、2 に 1 足すと 3 だから、さんにが六。6 に 25 をくっつけて、25×25 は 625。
証明もできた。夏、13歳。
一歩進んで、前ナラエ。24×26 みたいなのはどうか。10 の位の数は等しく、1 の位の数は、足すと10 だ。だって、4+6=10。これも同じで、10 の位の数に 1 足した数と、元の数を掛けて、今度は、1 の位同士の掛け算の答えをくっつける。24×26 だったら 10 の位は 2、2 足す 1 は 3 で、3×2 は 6。これに 1 の位同士の掛け算、4×6 の答え 24 をくっつける。つまり、624。
24 × 26 = 624
電卓で確かめられる。23×27 は? 10 の位は同じで、1 の位同士を足すと 10 だ。今の方法が使える。2 足す 1 が 3 だから、さんにが 6。1 の位同士の掛け算は 3×7=21。だから、さんにが 6 の 6 を置いてから、さんシチ 21 をおいて 621。つまり、
23×27 = 621 。
次々確かめよう。72×78 は? 10 の位は同じで、1 の位同士を足すと 10。よし、使える。7 + 1 = 8 だから、8×7 で 56。これに、1 の位同士の掛け算、2×8=16 をくっつける。5616 だ。
72 × 78 = 5616
正解。
1 の位が 5 の 2 桁の数だけだと、全部で 9 個しかないが、これだと、適用例がぐっと増える。全部正しいか、逐一確かめるのは大変だ。
「証明」しておこう。
一つの数を ab つまり ( a × 10 + b ) としておく。もう一つの数を、( a × 10 + c ) としておこう。10 の位が同じ a で、1 の位は、それぞれ足すと 10 になる数だから、b + c =10 となっていることを覚えておこう。これらを掛ける。a×10 は面倒なので、10 a と書くことにしよう。すると
( 10 a + b ) × ( 10 a + c )
=100 a×a + 10 a×c + 10 a × b + b×c
= 100 a×a + 10 a × ( c + b ) + b×c ・・・・(1)
ここで、最後の行の真ん中に ( b + c )(=c+b) が出てきた。これは、10だったから、
( 10 a + b ) × ( 10 a + c )
=100 a×a + 10 a×c + 10 a × b + b×c
= 100 a×a + 10 a × ( c + b ) + b×c ・・・・(1)
= 100 a × a + 10 a × 10 + b×c
= 100 a × a + 100 a + b×c
= 100 a × ( a + 1) + b×c
要するに元の数 a に、それに1足した (a+1) を掛けて 100 の位において、10 と 1 の位には、掛ける数の 1 の位同士の掛け算 b×c をくっつける。
これで証明終わり。
万事休す。
やんぬるかな。もうおしまいだ。