2016-01-01から1年間の記事一覧

56.手で掛け算、続報

第 21 回で、1 から 5 までの数同士の掛け算を知っていたら、6 から 9 までの数同士の掛け算は両手の指を使ってできることを記した。最近、同じようにして、10 から 15までの数同士の掛け算を手で使ってできることを知った。ただし、ある数の 10 倍というの…

55.走行中はシートベルトをお締め下さい

高速バスに乗る。前の席に付いている網状の物入れみたいなところに、「走行中はシートベルトをお締め下さい」という札が入っており、「時速60 kmで衝突すると、高さ14 m から飛び降りた衝撃と同じです」といった内容のことが書かれていた。第10回で導いたエ…

54.オーストラリアと寺田寅彦

オーストラリアで国際会議(国際学会)があり、自分の研究の口頭発表ができることになったので、出かけることにした。正直、南半球に行くのは初めてなので、そちらの興味の方が強かった。9月半ばのことだ。時差は30分から1時間程度だが、季節が逆という不思…

53.ホームランが打ちたい

昭和時代を3分割していうならば、昭和後期が始まった頃のこと、スポーツ観戦と言えばテレビのプロ野球くらいしかなかった。地域性によるが、六甲おろしが流れていた。通っていた銭湯の下駄箱は、いつも田淵の背番号 22 だった。 贔屓の球団は、自分が生まれ…

52.集合

小学生の時、算数の授業に「集合」が取り入れられた。取り入れられて間もない頃だったと思う。「AまたはB」とか「AかつB」とかあって、ベン図なんてものを習った。小学生にも小学校の先生にも、なんで小学生に集合論と思ったことだろう。 今から考えるに、思…

51.原子核のアルファ・クラスター

水素からはじまって、ヘリウム、リチウムと、原子核に含まれる陽子の個数が増えていくにつれ、特有の元素として元素記号が与えられている。普通の水素原子核は陽子が1つからできていて、元素記号は H。ヘリウム原子核は陽子 2 つと中性子 2 つからできている…

50.スーパーボールの衝突

スーパーボールなる、子供が喜ぶ小さいボールが売られている。なにがスーパーかというと、良く跳ねること。アスファルトなんかに叩きつけると、勢いよく跳ね返る。昔、子供の時分には値段はそこそこ高かったので一つ二つくらいしか持っていなかったが、今で…

49.長さ・重さ・時間の単位

光速度の測定の歴史に48回で触れたが、現在ではレーザー光を使って極めて精度よく光速度が測定されている。 特殊相対性理論を構築する際に実験事実として置かれる光速度不変の原理、つまり、すべての慣性系の人にとって真空中では光の速さは同じ値を取る、と…

48.光速は、なぜか c

46回、47回と、光の速さの話題が続いた。光速には c という文字を使うことが習わしだが、何故なのだろう。授業では、力は英語で force だから、F と書いて、質量は massだから m と書いて、加速度は acceleration だから a と書いて、ニュートンの第 2 法則…

47.光速の測定

46回の、光の粒子説と波動説の話(粒子性と波動性ではない)のところで、水中での光の速さが空気中の光の速さよりも遅ければ、光の波動説に軍配が上がりそうなことを見た。 そもそも、光の速さはどうやって測ってきたのだろうか。 まずは、17世紀のガリレオ…

46.光の粒子説・波動説

物理を専攻する学生さんたちは、高等学校の物理の教科書の最後の方で、光の波動性と粒子性を学ぶ。光は、電磁波としての波動の性質を持つが、光電効果やコンプトン効果に見られるように粒子性も示すと習う。光の干渉や回折から光の波動性は早くに教わってい…

45.コリオリ力・フーコーの振り子・台風

ポルトガルのコインブラ大学に滞在し、共同研究を行う。日本にいると相当量の研究・教育以外の大学運営・人事管理などの仕事に追われ、落ち着いて物を考える時間が無い。海外の研究室に滞在させてもらって、適度に議論しながら研究を進めるのが最近の研究方…

44.夏の終り

子供の時分から、何かあるたびに結核を疑われた。 小学生時代。ツベルクリン反応では要検査に廻されるもいつも何もなし。面倒なので、注射された日は家で注射された場所を手でこすって、だいたい良さそうな大きさの赤い丸を注射痕に作っていた。 中学になる…

43.音階

子供が中学校に入学した。自分の中学時代なんて、ついこの間のような気がする。小学生の時の記憶は曖昧になっているが、中学生になると俄然よく覚えている。だから、ごく最近の出来事であったような気がするが、子供が中学生になったということは、遥か彼方…

42.熱量とエネルギーの等価性

前回、熱量の単位、cal (カロリー)と、エネルギーの単位、J(ジュール)の換算を使った。 1 cal = 4.18 J エネルギーの単位に名を残すジュール(1818-1889)の業績である。高等学校では、「羽根車」の実験で説明されている。水槽に水を入れておき、その水…

41.歩行とダイエット

不思議な式を見つけた。運動時のおよその消費カロリーは、(メッツ)×体重[kg] ×運動時間 [時間] ×1.05 で見積もれるらしい。どっから導かれるんだ、この式? 1.05 掛けるのは何故だ? とか、全く理解はしていない。メッツとは、その運動が安静時の消費エネ…

40.プラス0.1%、マイナス0.1%

水泳のことは良くわからない。良くわからないが、子供は新年の頃には全国で20位前後であったのが、春の全国大会での直接対決では 40 位台に後退した。自己ベストを出したにもかかわらずである。みんな頑張っている。 そういえば、以前はスイミングから帰って…

39.骨の折れる計算

骨折した。 とある店の中を平地のつもりで歩いていたら、段が1段だけあって、段がないつもりだったので右足で勢いよく着地してしまった。ただそれだけ。 骨折といっても、正確には、右足の甲の骨の一部が欠損し、欠損した骨片が旧石器時代の骨角器の矢じりの…

38.力のモーメントと釣り合い

小学6年生の理科の問題集に、どうやって解いたんだというものがあった。図 1 のように、重さ 30 g、長さ 60 ㎝ の均質な棒の左端を支点にし、支点から 40 ㎝ のところに重さ 60 g の重りをつるす。このとき、棒の右端にばねばかりをつけ、ばねばかりを持って…

37. 力と次元

三角形の面積や、角錐の体積に空間次元が顔を出していることをみた(36回)。それは算数の話だったので、もう少し物理の話題を。 基本的な力を考えてみよう。真っ先に思い浮かぶのは、おそらく重力。「万(よろず)」重さの「有」るものには「引」き合う「力…

36.錐体の体積

小学6年生の息子が、なぜか中学生になってから習うはずの角錐の体積の問題に出くわして、習ってないと怒っていたらしい。 角錐の体積は、 (角錐の体積)=(底面積)×(高さ)÷3 そういえば、中学生の時、なぜ3で割ると答えが出るのかさっぱり解らなかっ…

35.小学生の算数から考える

小学6年生の算数の問題集を子供がしていたとき、面白い問題がちらっと見えた。ちょっと改竄して、大人向けに、こんな感じ。 「三角形があって、各頂点から半径( aとしよう)が等しい扇型を描く。3つの扇型を合わせた面積はいくらか(図1(a))」 三角形の内…

34.三平方の定理と次元解析

フェルマーの最終定理は n を3以上の自然数とするとき、xn + yn = zn を満たす整数解x、y、zは存在しない と言えた。逆に言うと、n=2 のときには、 x2 + y2 = z2 をみたす自然数の組 (x, y, z) は存在するということだ。たとえば、x=3、y=4、z=5。辺の長さ…

33. ケプラーと夜明け

太陽が出ている昼と、出ていない夜の長さが同じになるのは春分の日と秋分の日。だんだん暖かくなる春分を1年の始まりにしていた民族は多そうだ。ローマ時代に遡る今の暦でも春 3 月が 1 月だった。それが証拠に「7 番目の月」で「septem(ラテン語の “7”)」…

32.ソフィー・ジェルマン

最近の若者は「やばい」という言葉を肯定的にも使うようだ。昔は、「やばい」といえば、まずいなぁ、とか、ひでぇなぁ、とか否定的な意味でしか使わなかったのに、近頃は、すごいなぁ、といった感じで使われている。言葉は変化する。最近、あまり耳にしなく…

31.西暦2016年、平成28年

数学者のガウスが小学生の時、授業中に自分の時間を作ろうとした先生から計算に時間のかかりそうな「1から100まで足し算しなさい」という課題を与えられたところ、他の生徒は計算に時間がかかったが、ガウスだけはたちどころに5050という答えを出したという…