2021-01-01から1年間の記事一覧

135.同位体

大学院進学のときには、素粒子論研究室に進むか、原子核理論研究室に進むか迷ったが、当時の素粒子論は超弦理論が盛んで、なんだか数学のように見えたので、陽子や中性子やクォークといった実態が出てくる原子核理論に進むことにした。 原子の真ん中には、正…

134.死を想え

コロナ禍の初めのころ、昨年 4 月末には全国一斉にいわゆる緊急事態宣言が出され、人の動きがほとんど無くなった。県をまたぐ移動は自粛を求められ、巣ごもり生活が始まった。 そんな中、春先に父が肺炎となった。コロナ禍のため PCR 検査をされたが陰性であ…

133.春の日差し

新学期が始まるも、感染症禍のため、50 名とかの授業であれば対面講義が何とか可能なのだが、大人数となると対面講義ができない。密を避けるために教室定員の 50 %を目途にすると、100 人を超える大講義では、収容できる教室が限られてきて、どうしてもオン…

132.“幾何”級数

これまで、何度か数列の和が出てきた。近いところでは、2 回前、130 回で、 1 + x + x2 + x3 + x4 +・・・ = 1 / ( 1-x ) 何てのが出てきた。これは、項が進むごとに x を掛けていく、言い換えれば、ある項 xnと、一つ前の項 xn-1 の比 xn / xn-1 が常に…

131.弘法大師

前回、最後に落語の『持参金』を引き合いに出した。 ついでなので、『抜け雀』も見ておこう。 ある宿屋に、身なりの粗末な客がやってくる。金はあるので、先に宿代を払っておこうと言うが、宿屋の主人は、出立のときで良いと言って、客人を泊める。客人は、…

130.金は天下の回り物

経済学を勉強してこなかったので、経済の仕組みが良く判らない。これが「飯米に追われる」あるいは、赤貧を洗ってしまう元になっているのかもしれない。 何かの本で読んだような気がするのだが、どの本に書いてあったのか、覚えがない。興味が無いとそういう…

129.パスカルの三角形とフィボナッチ数とその拡張

前回や第95回で、( 1 + x )n を展開した時の係数を、2項係数と呼び、2項係数の具体を見た。二項係数 nCk は ( 1 + x )0 = 1 ( 1 + x ) = 1 + x ( 1 + x )2 = 1 + 2 x + x2 ( 1 + x )3 = 1 + 3 x + 3 x2 + x3 ( 1 + x )4 = 1 + 4 x + 6 x2 +4 x3 + x4 ・・…

128.2021

二項係数 nCk は、次のように定義される。 nCk = n ! / ( ( n-k)! k! ) ここで、ビックリマークは“階乗”で、 n ! = n×(n-1 )×( n-2 )×・・・×2×1 ただし、0 ! = 1 と定義しておく。 二項係数は、べき乗の展開の時に現れる。 ( x + y )n = xn + n xn-1 y …